先日何とはなしにTwitterに次のツイートをしました。



私の想定を遥かに越えたご反響を頂き、大変恐縮です。
ジャッジの方からも反応があり、いよいよ話の規模がデカくなってきたので、解答編と言いますか、ひとまずの私からのまとまった説明が必要に思いましたので、こちらの記事を書きました。

まずツイートの内容の出来事ですが、実際にあったことではありません。可能な限り自然に見えるように、実際の対戦の場では結構不自然な会話をさせています。
不自然さを感じにくいようにかなり苦心したので、そこだけでも、レトリックの手腕だけでも褒めてください。それか、実際にはまず起こり得ない会話を仮定して話を進めるオ○ニー野郎と罵ってください。

さて、設問の風を呈しながら私が回答しないのも正義ではないので、私の回答です。「どちらも悪い」とか、そういうのを言うつもりはないです。
ぶっちゃけ「Bが悪い」です。
だってそうでしょう?どう見てもBが悪いでしょう?

「待てよ!悪いのはAだろう!」?
「Bはルール上で最大限に自分が有利になるように上手くやったじゃないか!」?
まぁ、そんな声が聞こえてきます。気持ちは分かりますよ?ただ、実際の処理がどうなるかはジャッジの判断にもよることをお忘れなく。
じゃあAはどうなんだって?Aは「間違っている」だけです。

「間違っている」が「悪い」だと思っている人、この2つの区別がついていない人、すごいたくさんいるんじゃないかと思うんです。
と言うか、ほとんどの場面で「間違っている」=「悪い」かのように扱っているから、「間違っている」ものを見ると「悪い」と思うようになっちゃってる、そう私は思います。
「善い」と「悪い」、「正しい」と「間違っている」。本来の対応はこうなのに、気づけば「正しい」と「悪い」が対応していること、あると思います。

話が逸れました。私が今回のツイートをしたきっかけは3つあります。
1つ目はカードを調べていた時に、呪文爆弾には2つサイクルがあると知った事。今まで《虚無の呪文爆弾》のみを黒の呪文爆弾と認識していた私は「名称指定で《虚無の呪文爆弾》を忘れた時に、『黒の呪文爆弾』だけだと特定できないのか。大体の人は空気を読んで《虚無の呪文爆弾》と扱ってくれるだろうけど」と思いました。
2つ目は先日Twitterで、「《秘密を掘り下げる者》をコントロールしている状態で、《戦慄衆の秘儀術師》を唱えて解決を確認したら、無言で《致命的な一押し》を示されたから、《秘密を掘り下げる者》を墓地に置いたらキレられた」という趣旨のツイートを見たことです。競技的なプレイヤーには、ルール的な誤りが蛇蝎の如く嫌われます。ともするとルールを盾に、自らに有利なように進めることが優秀なプレイヤーの条件であるかのようにも思われてるように感じました。
それらを何となく考えていた時に、「名称指定で相手が名前を思い出せない時に、示された条件を満たす中で無害なカード名を教える」ということも可能なのではないかと思いました。
そして3つ目が、何日か前に見た初心者に対して心無い言葉をかけるベテランプレイヤーの話を聞いた事です。思いついた状況は、Aが初心者またはそれに準じる人の時に起こり得ると思います。初心者に対して明示的に心無い言葉をかけるのは論外ですが、普通にプレイしたりする中でも初心者はやりにくさを感じているのではないかな、と思いました。それら諸々が何か混ざり合って(アバウト)、例のツイートをするに至りました。

私としては、例のツイートのような行為を推奨するつもりはありません。万が一ツイートしたような事態が現実に起こり、ジャッジが呼ばれた場合、ほとんどの場合で、Aの《真髄の針》の名称指定は《虚無の呪文爆弾》であったことになって処理されるのではないかと思っています。その裁定の過程にも興味はありますが、マジックとはそういうゲームであると私は信じています。
数少ない例外として、プロプレイがあるのかな、と個人的に思います。プロプレイヤーがカードを把握していない、正確なカード名を覚えていなくても、それを特定する手続きを誤る、ということは考えづらいですが。

プロもミスをします。
個人的に印象深いのは、プロツアー「破滅の刻」準決勝、Yam, Wing Chun選手が最終ゲームで《熱烈の神ハゾレト》で攻撃できずに敗北したミスプレイです。
その場面で意図されるプレイは、ハゾレトの攻撃でしょう。そのために、第1メインフェイズに呪文を唱えて手札を減らしたかったはずです。
しかしプロプレイはそういった意図を汲みません。プレイヤーが行ったこと、行わなかったことが全てです。
何もプロプレイが厳しすぎると批判したい訳ではありません。ハゾレトの例も、ルール適用度競技以上であれば、プロでなくても同じ裁定でしょう。そして、そのルール適用度のイベントに参加したのは間違いなく参加した人であり、その責任を負うべきです。

先程の「善い」「悪い」、「正しい」「間違っている」を再び引き合いに出すのならば、ルール適用度が高いほど、「正しい」が求められる比率が高まります。当然「善い」フェアプレイに越したことはありませんが、まず「正しい」が求められます。そして、ブラフなどの「悪い」も時には認められます。
カジュアルプレイでは「正しい」はルールに明確に反しない程度であり、「善い」プレイを最優先します。時には相手に助言することや、巻き戻しなどの「間違っている」すらも許容し、「善い」プレイを推奨します。
店舗大会などで、どの程度「正しい」を求めるのかは基本的にジャッジがバランスを取ります。私のツイートに対しても「Aはジャッジを呼ぶべきだった」という指摘が多くあります。ジャッジを呼ぶことはマジックにおいて間違いなく「善い」そして「正しい」行為です。

本来は「間違っている」だけのAを「悪い」と非難し、Bを奸雄か何かのように称賛するツイートを何件も見て、マジック初心者の息苦しさを少し察しました。半分好奇心のようなツイートでしたが、想像していたよりもずっと様々なものを目にすることができたと思います。
最後に。マジで何の思想もクソもないツイートだったので、私ごと非難されたりするとビックリするから、ツイートや記事に関するフィードバックは少し手加減してくださいね。