先週、マジック公式からマジックのeスポーツ化について記事が公開されました。
併せて、マジックのeスポーツ化をイメージしたトレーラー動画も公開されました。


分かりやすく華やかな、ともすると拒否反応すら覚える動画ではありますが、そもそもeスポーツという分野は多かれ少なかれこういった風土があるので、仕方ないと言えます。

結局どうなるのか

先日からグランプリの名前が変わったりと色々発表されている変化について、「結局現時点で今後どうなっていくことになっているのか」に焦点を当ててまとめます。

・「グランプリ」と今まで呼ばれていたイベントは今後「マジックフェスト」と呼ばれます。「マジックフェスト」内で、今まで「グランプリ本選」と呼ばれていたイベントが「グランプリ」として開催されます。名前が変わるだけで、実質は何の変化もありません。

・「プロツアー」と今まで呼ばれていたイベントは今後「ミシックチャンピオンシップ」と呼ばれます。参加者全員に賞金が出る代わりに、会場までの航空券等のトラベル賞は出なくなります。

・「ミシックチャンピオンシップ」への参加資格の獲得経路としてはMTGアリーナ、「マジックフェスト」内「グランプリ」、各種予選イベント、招待が挙げられます。「グランプリ」で一定の成績を収めることで得られる参加資格は、開催地域で次に開催される「ミシックチャンピオンシップ」のものになります。

・プロ・ポイント制度および従来のプロ・プレイヤー制度は凍結の上見直されます。従来の「プロ・プレイヤーズ・クラブ」に代わり、「マジック・プロリーグ」という制度が始まります。2019年度は32名の選手がウィザーズと年間75,000ドルの契約を結び、毎週MTGアリーナで試合を行ったり、各種ミシック・イベントに参加します。選手のプロフィール、成績、獲得賞金などは公開され、いつでも確認できるようになります。

・以前に発表した2019年プロツアー6回開催は撤回され、ミシックチャンピオンシップ4回が開催されます。

・国別選手権やワールド・マジック・カップ、チームシリーズなどのイベントは2019年を最後に終了となります。

雑感

プロ・プレイヤー制度の見直し、マジック・プロリーグの設立は非常に驚きました。
正式にウィザーズ本体と契約を交わし、名実ともにプロとしてプレイすることは大変な名誉でしょう。32名の選手のプロフィール等が公開され、世界中のマジックファンが贔屓の選手を持ち、まるでプロ野球のように「先週の〇〇選手は絶好調だった」「今週の△△選手のデッキ選択は素晴らしい」とコミュニティで活発に話題に上がるようになる将来は大変興味深いと思いました。
以前Gerry選手が指摘していた、プロプレイヤーに対するプロモーション不足は大きく改善されるのではないでしょうか?年間75,000ドルかける相手をそう粗末には扱えないでしょう。冒頭の動画のようにまさしく「世界が知る」となるでしょう。
個人的なマジックの一つの目標地点である、「新聞にマジック欄ができる」という所にまた一歩近づいたように思います。

反面、毎週のMTGアリーナでのプレイなど、現在公開されている情報からだと、契約する選手はマジック専業にならざるを得ないのかな、という印象です。
現在のプロ・プレイヤー制度では、本業を他に持ちながらプロ・プレイヤーとしても活躍しているような選手がいて、それはそれで多様性を感じていたのですが、マジック・プロリーグではそれは難しそうです。
ウィザーズとしては、プロ選手はマジックの広報のために精力的に活動して欲しいからこその今回の見直しなのかも知れません。個人的には本業を持ちながら兼業でプロをやっている選手がいても、マジックを趣味として楽しむ層に希望を与えて良いと思うのですが。

また、2019年は32名のマジック・プロリーグですが、今後も32名のままなのか、増やしたり、リーグを多層化したりしていくのか、気になります。
世界にたった32名しかマジックのプロ・プレイヤーがいないなんて寂しすぎると思います。
ブロンズ・レベル・プロのように、十分高いけど、まだ目指せる到達地点がある方が、プロを目指す人口が増えて良いと思うのですが。

プロツアーの変更はだいぶ残念という印象です。
プロツアー6回の撤回は言うまでもなく、トラベル賞の廃止は残念です。
トラベル賞がなくなる分、参加者全員に賞金が出て、総額が増えるとのことですが、それは詰まる所、「遠方から参加するプレイヤーに支払うはずだった交通費を山分けしよう」というだけの話ではないでしょうか。
グランプリで得られる参加権利が同一地域内に限られる点といい、ウィザーズは開発本国アメリカで他地域の選手が活躍するのを嫌っているのかとすら思います。
マジック・プロリーグに選出される32名に何人日本人が入ることでしょう。3人くらいでしょうか。

冒頭の動画のような華やかな雰囲気はマジックらしくない、という感覚をどうしても持ってしまいます。ゲームショップで和気あいあいと素朴な感じで楽しむ姿こそがマジックの原風景で、プロツアーなどの場ですらだいぶ特殊と思う自分にとって、eスポーツの光景は刺激的すぎます。まぁ、関係のない話と言ってしまえばそれまでですが。
世の中のブームとしてeスポーツが話題になっている以上、マジックもその波に多少乗らなければならない、MTGアリーナを通して更なるプレイヤー獲得をしていかなければならない、ということは理解しています。しかし、いざeスポーツのブームが去った後に、「マジックらしさ」を見失わない、長期を見据えた戦略を立てて行って欲しいと思います。

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