「ごきげんよう。良い鹿ですね」――『来世使える!クソみたいなファイレクシア語』より

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ようやくスタンダードで《王冠泥棒、オーコ》が禁止になりました。ぶっちゃけ1ヶ月くらい遅い(
何でスタンダードでデッキを組もうとする時に、クリーチャーとアーティファクトについて「このカードは3/3の鹿としてはマナ・コストが高すぎないだろうか?」なんて意味の分からない問いを課さないといけないのか良く分からなかった。せっかく《グレートヘンジ》とか《エンバレスの宝剣》とか、面白そうなカードが出てきたのに、全部マナ・コストが大きいだけの3/3鹿になる凄まじい環境に目を剥いていました。
マジック・フェスト名古屋が無事マジック・フェスト奈良になるのを見届け、ようやく先月《王冠泥棒、オーコ》はスタンダードで禁止になりましたとさ。めでたしめでたし

しかし、まだモダンを始めとする使用可能なフォーマットでは、《王冠泥棒、オーコ》のために色を足してまでプレイされています。モダンでは、少し前から強力なデッキであったウルザ系のデッキにオーコが合流したり、青白コントロールにオーコが合流したりと、かなり節操なくオーコが幅を効かせています。

「もはやこれ、《王冠泥棒、オーコ》が4枚使えるフォーマットはマジックではないのでは…?」

という、完全に頭のおかしい人になってしまい、とうとうモダンからも少し距離を置くようになってしまっていた私は、8月に発売された「統率者2019」を買って、統率者をちょっと遊んでいたこともあって、これを機に統率者を本格的にプレイしてみることにしました。

統率者自体は、いずれマジックを半隠居する時にお世話になるであろう終の住処と勝手に目していました。こんなに早くなるとは誤算でしたが……そしてもし統率者をやるとなったら、私は白青赤のジェスカイ――トリコロールという呼び名の方が好きですが――カラーが好きなので、トリコカラーのデッキを作るつもりでいました。2019年に入るまで、トリコカラーの伝説クリーチャーはそれほど種類が多くなかったので、トリコカラーのデッキが収録される「統率者2019」は私には待望の商品でした。

統率者候補紹介

トリコカラーの統率者候補クリーチャーはそれほど多くないので、せっかくですから紹介していきます。

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《壊滅させるものヌーマット》
マジック史上最古のトリコカラーのレジェンド。意外にも最古のトリコカラーレジェンドが生まれたのは今から12年前。マジックの歴史の約半分の間、トリコカラーの伝説のクリーチャーはいなかったらしい。信じがたい。
重い、除去耐性ない、ダメージ誘発が土地破壊という無駄に楽しくない能力、パワー6だから3パンマンじゃない。
流石に最古のトリコカラーレジェンドとは言え、これを軸に据えるのは厳しいと判断して次へ。

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《寛大なるゼドルー》
統率者用にデザインされたレジェンド。大判カードもあるし、何かとサプライにもなっている。
だが、なにぶんクセが強すぎる。機能すれば強いのかも知れないし、いくつかデッキリストも見かけたが、やりたい動きとだいぶ違いそうなので今回は見送り。いずれ面白い動きに重点を置いた統率者を組みたいとなった時にお世話になるかも知れない。

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《フォモーリのルーハン》
こちらも統率者用にデザインされたレジェンド。
待望の3パンマンではあるが、攻撃先ランダムな上に回避能力なし除去耐性なしの三重苦を背負って生まれた悲しき巨人。いつかアンブロと追加ターンとか追加コンバットで虐殺パーティーさせてやるからな。ゴメン。無理かも。

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《悟った達人、ナーセット》
時は巡り、カード枠が新枠になってのトリコカラーレジェンド登場。トリコカラー最強と名高い凶悪レジェンド。高速キャストから呪禁の除去耐性と気の狂ったような踏み倒しで追加ターンと追加コンバットを連打して撲殺していく。らしい。
間違いなく強いのだが、個人的に許容し難い一方的さが、もはや統率者というゲーム的にいかがかという気持ちと、ナーセットの凶悪さが知れ渡っている状態でジェネラル公開した時の空気に耐えられる気がしないので、大変失礼ながらお引き取り願った。

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《沈黙の大嵐、シュー・ユン》
実は結構終盤まで統率者選定レースに残ったレジェンド。愚直に統率者21点を狙える武闘派レジェンド。除去耐性こそないが、素の軽さで補える。アンブロ反復でガンガン統率ダメージを積み上げてリーチをかけにいける。
最終的に、殴るばかりでアドバンテージの獲得に乏しく、少々不器用に感じたので採用には至らなかったが、将来的に可能性は相当感じる良い統率者候補だと思う。余力が出たら良さそうなリストを見つけて組んでみたいと思う。

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《風の憤怒、カイカ》
2019年になって基本セットに現れた、中々バランスの良さそうなレジェンド。トークン生成は結構好きなので高得点。1枚で防御も攻撃もこなせそうな印象。
ただしどう足掻いても7パンマンという素の戦闘力の低さは肝に銘じる必要がある。トークンをマナに変換するのを好きな色にできたら言うことなしだったが、高望みはするものではない。

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《時間変造者、セヴィン》
統率者2019の顔。大判カードもあり、サプライも充実。できればこいつで組みたかった。
が、現実問題墓地から唱えるカードで2倍になって面白いカードはそう多くなく、11パンマンという驚愕の打撃力から、実際の運用は死なないブロッカーと化することは見えている。ただでさえ重めなのに有効な使い道をとうとう見つけることができずに戦力外通告。いつか使いたいと誓い、次へ。

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《無限のエルシャ》
統率者2019の新顔。絶対に悪いことしますよって書いてある。アドバンテージを稼ぎ、統率者21点も狙えるパンプ能力もあり、と多角的な攻めを得意とする印象。
反面防御面はそこまで期待できない。能力的に仕方のないことだが心持ち重いか。

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《天空塁壁、プラミコン》
統率者2019のネタ枠。マジック史上初の伝説の壁。こいつで統率者21点決めたら死んでも悔いはない。圧倒的な防御性能がウリ。
勝つには絶対に他のカードが必要。と言うか、デッキに入れている勝ち手段の時間稼ぎにこいつが統率者になるレベル。何度も蘇る妨害という半分プレインズウォーカー統率者みたいな役割を担うだろう。こいつもいつか統率者デッキを組みたいレジェンドではあるが、本当に組むのかは不明。

カイカ・エルシャ考

これらの統率者を、ネットで統率者デッキのリストを眺めながら見比べて、《風の憤怒、カイカ》と《無限のエルシャ》のどちらかで統率者デッキを組みたいと思いました。
《風の憤怒、カイカ》と《無限のエルシャ》の統率者デッキのリストをいくつかネットで見つけたところ、多くの場合、未来独楽と呼ばれるコンボを搭載していることが分かりました。《風の憤怒、カイカ》と《無限のエルシャ》はどちらも、対戦相手のライフを0にしたり統率者ダメージで勝利したりが出来ない訳ではないが、得意な部類の統率者ではないように思う。そこで、通常の勝利を当然視野に入れながらも、成立したら勝利するコンボも搭載したいと思った。
ここは統率者というゲームの捉え方だと思いますが、私はグダついたゲームを締めたり、大きな隙を咎めるコンボは必要悪と考えています。主としてパーマネントーー特に統率者戦において意識されないことの方が少ないクリーチャーまたはアーティファクトであるとより良いでしょうーーで構成され、コンボパーツの一部だけが先に戦場に出揃う「オープンリーチ」状態を経由するため、除去などで対処する余地があるタイプのコンボは、他のプレイヤーに団結して乗り越えるべきクエストを与え、ある種のイベントとしてゲームに彩りを与えるように思います。

未来独楽についての説明は割愛しますが、必要パーツは《師範の占い独楽》、《未来予知》などのライブラリートップを唱えられるようにするカード、《エーテリウムの彫刻家》などのアーティファクトを唱えるマナ・コストを軽減するカードの3種類です。《風の憤怒、カイカ》ならばアーティファクト軽減の役割を、《無限のエルシャ》ならライブラリートップキャストの役割を果たせます。統率者というサーチ不要、除去されても使い回せるカードがコンボパーツになっているというのは魅力的です。「この統率者でしかできない」というオンリーワン感にも繋がる気がします。

私は当初、《無限のエルシャ》でデッキを組みました。選択の理由として、固定のコンボパーツである《師範の占い独楽》との相性が非常に良いことがあります。揃うとインスタントタイミングで1マナ1ドローという尋常ではないアドバンテージを生み出します。このドローでコンボの最後の1枚を探すこともできますし、1マナ1ドローのついでにこっそりと1マナ+1/+1のパンプもしているので、統率者ダメージ稼ぎや火力を耐えることもできます。
また、コンボパーツの片割れであるアーティファクト軽減が《覚醒の兜》や《雲の鍵》、《エーテリウムの彫刻家》、他にも一応《類似の金床》など数があり、《セヴィンの再利用》で墓地から拾えるなど復帰力もあるため、コンボパーツが揃いやすいと感じました。
他にも《相殺》や《予報》などとの相性の良さ、《Thought Lash》との組み合わせが強力であること、《多用途の鍵》という統率者ダメージを通しやすいカードの存在もあって、《無限のエルシャ》でデッキを組んでみました。

実戦、学び

統率者デッキこそできたものの、丁度良い統率者戦のイベントを見つけられないまま、有給の連休を迎えた。連休は大阪に行くことを決めていたので、大阪で統率者戦をやっている所はないかと探して、難波のGAME BAR LOTUSさんで統率者戦に参加しました。LOTUSさんはとても良い所だったのでオススメです。また行く機会があったらガッツリ紹介できるように写真とかいっぱい撮って来ようかな。本音言うとこういう店、東京にも欲しい。統率者戦に力を入れている東京のゲームバーとかあったら教えて欲しいです。
実戦してみて分かったこととしては、思っていた以上に防御力が低すぎました。《無限のエルシャ》を活かすため、クリーチャーの数をかなり抑えていたこともあって、本格的に殴るタイプの統率者にかなり弱かったです。《プレデターの艦長、グレヴェン》に3回くらいワンパン21点決められました。

《無限のエルシャ》で勝っている人もいるみたいですが、自分には使いこなせないと感じ、《無限のエルシャ》から対抗馬の《風の憤怒、カイカ》に乗り換えました。余談ですが、だいぶ前にモダンで青白コントロールが結果を出した時に、自分も愛用のトリココントロールから青白コントロールに乗り換えたことがあって、悲惨なまでに戦績が悪化しました。それ以降、デッキにはそれぞれの哲学があり、使い手の哲学と共鳴するかが結果を出せるかに繋がると思います。
ともあれ《風の憤怒、カイカ》を中心に、ブロールでもカイカを使った際に相性の良かった《人知を超えるもの、ウギン》や《約束の終焉》なども入れ、現在使っている統率者デッキの完成です。

統率者デッキ:風の憤怒、カイカ

統率者
《風の憤怒、カイカ/Kykar, Wind's Fury》

クリーチャー:4
1:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
1:《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist》
1:《僧院の導師/Monastery Mentor》
1:《粗石の魔道士/Trinket Mage》

インスタント:21
1:《否定の契約/Pact of Negation》
1:《精神的つまづき/Mental Misstep》
1:《神秘の教示者/Mystical Tutor》
1:《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
1:《摩耗+損耗/Wear+Tear》
1:《予期せぬ不在/Unexpectedly Absent》
1:《意志の力/Force of Will》
1:《狼狽の嵐/Flusterstorm》
1:《否定の力/Force of Negation》
1:《流刑への道/Path to Exile》
1:《渦まく知識/Brainstorm》
1:《白鳥の歌/Swan Song》
1:《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1:《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
1:《ドビンの拒否権/Dovin's Veto》
1:《任務説明/Mission Briefing》
1:《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
1:《秘儀の否定/Arcane Denial》
1:《発明品の唸り/Whir of Invention》
1:《大あわての捜索/Frantic Search》
1:《時を越えた探索/Dig Through Time》

ソーサリー:14
1:《汚損破/Vandalblast》
1:《定業/Preordain》
1:《血清の幻視/Serum Visions》
1:《先触れ/Portent》
1:《思案/Ponder》
1:《ギャンブル/Gamble》
1:《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
1:《加工/Fabricate》
1:《意外な授かり物/Windfall》
1:《セヴィンの再利用/Sevinne's Reclamation》
1:《至高の評決/Supreme Verdict》
1:《約束の終焉/Finale of Promise》
1:《永劫のこだま/Echo of Eons》
1:《終末/Terminus》

エンチャント:4
1:《Mystic Remora》
1:《リスティックの研究/Rhystic Study》
1:《息詰まる徴税/Smothering Tithe》
1:《未来予知/Future Sight》

アーティファクト:15
1:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1:《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》
1:《頭蓋骨絞め/Skullclamp》
1:《太陽の指輪/Sol Ring》
1:《多用途の鍵/Manifold Key》
1:《通電式キー/Voltaic Key》
1:《友なる石/Fellwar Stone》
1:《精神石/Mind Stone》
1:《イゼットの印鑑/Izzet Signet》
1:《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》
1:《発展のタリスマン/Talisman of Progress》
1:《秘儀の印鑑/Arcane Signet》
1:《独創のタリスマン/Talisman of Creativity》
1:《連合の秘宝/Coalition Relic》
1:《神秘の炉/Mystic Forge》

プレインズウォーカー:8
1:《崇高な工匠、サヒーリ/Saheeli, Sublime Artificer》
1:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
1:《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
1:《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
1:《神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries》
1:《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
1:《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
1:《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》

土地:33
3:《平地/Plains》
5:《島/Island》
2:《山/Mountain》
1:《真鍮の都/City of Brass》
1:《焦熱島嶼域/Fiery Islet》
1:《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
1:《氷河の城砦/Glacial Fortress》
1:《虹色の眺望/Prismatic Vista》
1:《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》
1:《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》
1:《蒸気孔/Steam Vents》
1:《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
1:《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
1:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1:《乾燥台地/Arid Mesa》
1:《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
1:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
1:《古えの墳墓/Ancient Tomb》
1:《統率の塔/Command Tower》
1:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
1:《汚染された三角州/Polluted Delta》
1:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
1:《雲海/Sea of Clouds》
1:《マナの合流点/Mana Confluence》
1:《硫黄の滝/Sulfur Falls》

感触と今後の展望

使ってみた感触はかなり良いです。トークンがコンボを揃える時間を確保してくれますし、殴って相手にプレッシャーをかけることもできます。コンボを内蔵しつつ、コンボが揃わなくても戦える、目指していたデッキになったと思います。
今後入れたいカードとしては、《魔力の墓所》、《魔力の櫃》、《厳かなモノリス》、《モックス・ダイアモンド》、《金属モックス》あたりはできるだけ早く買いたいと思う。
《無限のエルシャ》ほど《神秘を操る者、ジェイス》に固執する必要はないので、《研究室の偏執狂》も入れても良さそうに感じます。万が一墓地に落ちても《研究室の偏執狂》なら《セヴィンの再利用》でリアニメイトできるし。
《霊気貯蔵器》等を追加の勝ち手段として入れるか検討中。万が一ライブラリーの一番下に眠っていた場合でも勝ちにいけるか検討したりして判断しようかと。統率者で無限ライフを狙う人がいるかも調べる必要がありそうです。
その他、セプターコンボ等の無限マナも採用すべきかは要検討。現状ライブラリー全部引ききったらそこから《神秘を操る者、ジェイス》なり《研究室の偏執狂》なり置いて勝つのに必要なマナは充分出るはずだから無限マナは不要にも感じる。
マジでやることなくなったらデュアラン買うかも。

追記的な何か

The Legend of Arena を統率者にしたトリコカラーデッキ作りたい!
流石に真正カードは手に入らないだろうけど、リストだけ考えてプロキシありで使ってみたい!